人の心なんて、簡単に離れていく・・・














05 時と共に変わるモノ

















アスランが転校してきて、約2週間。

コレといって、変わった事は無い。


しかし・・・・





「おはよう、フレイ。」


「・・あっ、おはよ。」




至って普通にが挨拶をするだけでも脅えた様にぎこちなく笑い返す

そして、教室の後ろで固まっている女子のグループの中へと消えていく。

最近、特に今週からはこう。



そんな様子をは呆れたように、傍観する。

そしてはぁ、と溜息をついて席に腰掛けた。





















「朝から・・・、腰痛めないか、?」


「日課なのでご心配なく。おはよう、アスラン。」


「おはよう。」



得にやる事も無く、が机に伏せてからすぐ。

いつもと同じように、登校してきたアスランが席に着く。





「空なんて、毎日同じだろ?」


「微妙に変わるんだな、コレが。 アスランも一緒にどう?」


「あいにく、地学より科学の方が好きなので。」





変わらない日常。





















「まただよ、あの二人・・・」


「出来てんじゃないの?」


「マジで〜」


あははは―――、と教室の後ろで声が上がる。

そんな光景に、思わずフレイは目を反らした。






どうして、そうやって噂されるのは、あたしじゃないんだろう。

どうして、ザラ君の隣で笑ってるのはなんだろう。

どうして、は本当に笑ってるんだろう・・・・










「付き合ってなんかないよ!あの二人は!!」






思わず出してしまった大声は予想以上で、教室が静まり返った。

それに気づいたフレイは、はっと口を塞ぐ。

が、時は遅かった。








の事、庇うんだ。」


「だって、友達だもんね?」



周りに睨みつけられて、怖くて、フレイはただ口を閉ざす。

嫌われるのが、怖い・・・







「それとも、フレイちゃんってザラ君のこと好きなんでしょ??」


「・・・好き・・・?」




そう言って笑った友達の意見に、今までフレイの事を睨み付けていた友達たちも納得したように首を立てに振った。

そしてフレイ自身も、説明のつく理由に納得する。

好きだから。

嫉妬しているんだ、アスランと話す彼女に。




「そういう事なら、バッチリ協力するから。」



そう言って笑った友人の顔が、何故か、どこか覚めたの顔と重なった。




















、最近アルスターさんと一緒にいないよね。」



教室の後ろでフレイの声が聞こえ教室が静まり返ったあと、アスランが口を開いた。

翡翠の瞳はまっすぐを捕らえている。




「あ、なんか喧嘩しちゃって。なかなか誤れなくて・・・」


本当にくだらない事で・・・・、と苦笑いを浮かべる。

アスランの視線を痛いほどに感じながらも、目をあわす勇気は無かった。







「早く・・・仲直りできるといいね。」








そう優しく言う、アスランに対して心が痛かった。

本当は、全て話してしまいたかった。

一方的に無視されてること、過去のこと・・・・




けれど、自分自身がソレを許さない。




いつもなら、平気なハズなのに・・・・














何故だか、涙が溢れた。



そして、その一歩手前にチャイムがなった事を感謝する。

は、何も言わずに机に伏せた。

涙が止まらなかった。


そして隣の席で静かに揺れる肩を、アスランはただ見つめるしかできなかった。






空は、美しい冬晴れだった。






→next


面白いと思ったら、押してください

060315