伝えられないこの思い・・・
私はどしたらいいのですか?
ただあなたがいるだけで
が、今の思い人・・・アスランに出会ったのはアークエンジェルの中だった。
あれは、本当にドラマでありそうなありがちな出会い方だった。
ハンカチを落としたら拾ってくれた人と恋におちたみたいな。
キサカさんに言われ、会議の資料を艦長に渡すよういわれたは、殆ど来た事も無かったアークエンジェルの中で見事なまでに迷ってしまった。
そんなとき、途方にくれていたは曲がり角を曲がったところで誰かに嫌と言うほどぶつかった。
衝撃と反動で、手に抱えていた資料はバサッと舞い上がり、壁にぶつかると思いえレンは思いっきり目を瞑った。
しかし、予想した痛みは襲ってこなく逆に聞こえたのは優しい声だった。
「あの、大丈夫?」
「・・・へっ?」
おそるおそる目を開くと、散らばる資料をバックに整った顔がを覗き込んでいた。
「え、あ、ハイ。」
「そう、よかった。」
あまりに綺麗すぎたその顔立ちに、初対面だというのに惚れ惚れしていたはポンッと手に置かれた資料により我に返る。
「艦長のところへ行くの?」
「あ、ハイ。でも・・道に迷って・・・」
顔を紅くして俯くを妹を見るような目でアスランは見ると、の持っている資料を全て持ち上げた。
「あっ、そんないいですよ。」
「俺が、艦長室まで案内してあげる。」
そういって微笑むアスランには何も言えなかった。
それから恋におちるのにそう時間はかからなかった。
優しい笑顔。
頼りになる存在。
もっと一緒にいたいと何度も思った。
*
「なぁ、・・・」
ある日、パソコンに向かい記号とニラメッコしていたは、めずらしくカガリに声をかけられた。
「お願いがあるんだけど・・・」
そう言って、カガリが差し出したのは年頃の女の子が読むような雑誌。
それから、何日か経った頃だった。
休憩でもしようと、食堂へと向かったは入り口から聞こえる2人分の声に身をこわばらせた。
本能的に、静かに中の様子を伺うと、後姿のアスランに向かいに楽しそうに座り話している二人。
カガリは・・あの日が教えたメイクをしていた。
ズキン、と心の中が何かおかしかった。
泣きたいような、腹が立つような奇妙な感覚には襲われ、静かにその場を立ち去った。
「・・?」
「どうした、アスラン?」
なんとなく振り返ったアスランの目には誰も居ない廊下しか映らなかった。
「はぁ・・・」
「ため息つくと、幸せが逃げるよ?」
「うわっ!! ってキラかぁ・・・」
逃げるように食堂を立ち去ったがたどり着いたのは星が輝く展望台。
「いいの、このままで。」
「えっ・・何が・・?」
突然投げかけられた質問はわかるようでわからなかった。
「カガリとアスラン」
「・・・ぇっ・・・」
「アスランとられちゃうよ?、アスランのこと好きなんでしょ?」
もしかしたら誤魔化してただけなのかもしれない。
キラの言葉はパズルのピースが合う様に、すんなりとのなかえ溶け込んだ。
「そうなのかもしれない。でも、カガリは・・・」
「そう。でも、恋愛は勝負だよ? まぁ、ゆっくり考えなよ。時間はないと思うけど。」
そうキラは言うと、の肩をガンバレというように軽く叩き立ち去っていった。
それからはなんとかアスランと話そうと奮闘していた。
でも、そんなの気持に勘付いたのかカガリも負けじとアスランを独占するようになりとアスランの時間は減る一方だた。
「あいかわらずだね。」
アークエンジェルの格納庫でぼうっとMSを眺めていたの声をかけたのはキラだった。
「やっぱ、無理だよ・・私、カガリもアスラン大切だもん・・・」
「じゃぁ、諦めちゃうの? 何もしないで、ただ二人がくっつくの眺めているの?」
「そんな・・・・」
思わず俯いたは、突然強引にキラに抱きしめられた。
そのまま胸に押し付けられる。
「じゃぁ、僕のものになって。」
「な、なんで!? 私がアスランの事を好きなの知ってるのに!?」
フゴフゴと叫ぶは急にキラの中から開放された。
しかし、思いっきり後ろに押されバランスを崩す。
「・・・聞いた、アスラン? よかったねv。」
飛ばされたを受け止めたのは入り口で呆然と突っ立っているアスランだった。
仕組まれた!
そう気がついた時にはもう手遅れだった。
聞かれてしまった!
それが頭の中全てを支配する。
「・・・ゴメンね・・・」
気がついたらは謝っていた。
泣きたいのを必死にこらえて、笑顔をつくって。
「迷惑だよね、こんなの。ほんと・・・ゴメ・・」
「なんで、なんで誤るの? 俺は、そののことが好きだ。」
「えっ・・・」
「がキラに抱きしめられてるの見て、なんで俺じゃないんだろうって、なんでを抱きしめるのが俺じゃないんだろうって悔しかった。」
こんなアスランを見た事はなかった。
拳を握り締めて、でもの瞳をまっすぐに見ていた。
「でも、カガリは・・・?」
「確かに、カガリには告白された。でも、俺がすきなのはだけだから。しかいらない。」
「うん。」
一言だけの口からようやく出た言葉。
その言葉にアスランは満足したのかニッコリ笑うと、を壊れ物でも扱うかのようにそっと抱きしめた。
「大好きだよ、。」
「あたしも、アスラン。」
そう二人は微笑みあった。
* * *
水乃様のリクでアスラン夢のシリアス→甘甘でした。
水乃様どうでしょうか?
遅くなってしまいましたが、どうぞ受け取ってください。