「 ロックオンへ。
 こんにちは、いや、こんばんは、かな。
 お久しぶりですね、です。忘れたなんて言わせませんよ。

 もう1週間も会ってないけれど、元気にしていますか。
 私たちはすごく元気です。
 刹那は相変わらず素っ気無いし、アレルヤはよく相談に乗ってくれるし、ティエリアは・・・最近ちょっと話しやすくなりました。
 スメラギさんもクリスティナもフェルトも。
 みんな、みんな元気です。

 そういえば、この間地上に降りたときにとても綺麗な花を見ました。
 日本語で"桜"っていう花だということを刹那が教えてくれました。
 春に咲く花なんだけれど、すぐに散ってしまう花らしいです。
 いつか、みんなでお花見に行けたらいいねって話してました。

 貴方が"嫌だ"と言った世界は、まだまだ綺麗な部分がたくさんあります。
 捨てたもんじゃない、と思います。

 ロックオンは今、どんな世界を見ていますか?
 その世界は優しいですか?綺麗ですか?
 いつか、貴方の瞳に映る世界がとても美しいものになるように私たちも頑張りたいと思います。

 それまで待っていてくださいね。

 そして帰って来てください。

         」







ペンを持つ手が震えていた。

こんなことをして何になるかはわからない。

けれど、私は信じている。

貴方は、ロックオンはきっと生きているということを。

だって、まだ世界は変わっていない。

ロックオンは家族の仇をとれば、前に進めると行った。

それなのに、あの頭を優しく撫でてくれた手はもうここにはない。

だから、私は貴方に手紙を書きます。

この広い、広い世界のどこかにきっといるロックオンに届けるために。





Dear my lover




世界で一番愛しい人へ。

速く帰って来てね。そししたら「おかえり」って笑って迎えてあげるから。


080323