「ねぇ?アスラン先生?」


・・・その“先生”ってやめろって何回も言ってるだろ?」


「了解しました! ていうか、先輩ここどやるんですか?」


「先輩か・・・ここは、この公式を使うってさっきも言ったが?」


「そうだっけ?」












家庭教師














仲良く?勉強をしている二人。

アスランが後輩にあたるに、こうして勉強を教えている訳は今から約1年前に遡る。


















「ザラ先輩!シャーペンください!」



卒業式をまじかに控えた高校の体育館でのできごとだった。

はバスケ部に所属しており、部活が休みの今日、放課後一人で練習をしていた。

ゴールに投げたボールは綺麗に弧を描いて、ネットに絣もせずに入る。

一人その余韻に浸っていると、入り口の方から小さな拍手が聞こえてきた。



「ザラ先輩??」



に拍手を送ったのは、元男子バスケ部主将でイケメンで成績もいい、よりも1つ年上の先輩。

女子からの人気はすさまじく、にとっても憧れの存在だ。



「ずいぶんと上手くなったな、。」



そういいながら、アスランは近くに落ちていたボールを拾っての方に近づいてくる。




「ありがとうございます! それより、先輩はどうしてここに?」


「なんとなく・・・かな。」



それに勉強ばかりじゃね・・・とアスランは言い、手に持っていたボールを徐にシュートする。

ボールは一寸の狂いもなくゴールに吸い込まれていった。

そんなアスランの姿に見とれていただが、前々から気になっていたことを思い切って聞いて見る。



「先輩はこのままカレッジに進むんですか?」


「うん、いちおうね。」



たちの学校はエスカレーター制になっているが、高校とカレッジはそれぞれの進路にあわせて好きなコースを取るようになっている。



「先輩頭いいですからね・・・・・・・そうだ!シャーペンください!」



急に何を言い出すのかと思ったらまた、変なことを・・・とアスランは思い苦笑いし、冒頭に戻る。



「シャーペン!? ボタンとかネクタイじゃなくて?」


「ハイ! 受験が終わってからでいいですから。 それにザラ先輩のだったら頭よくなりそうじゃないですか!」



根拠のない妙な自信を持っては得意げに言う。



「別にかまわないが・・・・しかいなんで今頃?」


「だって、先輩人気高いので。予約です!」



そう言ってはニコッと笑う。 それにつれて思わずアスランの顔も緩んだ。





「・・・?頭良くなりたいの?」


「はい・・・そりゃバカよりはいいと思いますよ?」


「なら、受験が終わったら俺が勉強を見てあげるよ。」


「・・・へ?・・・」


「なら、これも予約ね。しかも解消は無理だから・・・」



そう謎なことをアスランは言って、じゃあ・・と体育館を後にした。

そして、卒業式シャーペンを渡されたはアスランのアドレスが書かれた紙も一緒に貰ってしまった。