桜が舞い散る中


僕等は出会った。











Four Season 〜桜舞う頃〜











見慣れた校門を今日もくぐる。

周りは、統一された制服をできるだけアレンジした格好で歩く生徒たち。

そんな光景も今日はどこか違った。

桜が舞い散る季節。

新しく始まる生活に、心なしか気分も高まっていた。










暖かい日差しが降り注ぎ、優しい風が吹く4月

俺は、君と出会った。










風に乗り、花びらがヒラヒラ舞う中、一人で桜の木を見上げていた。



長めの茶色の髪はフワフワと風に乗って、

花びらを掴むように伸ばした手は、人形のように白く、細かった。

その幻想的な光景から目を離すことができず、

しかし、彼女にどうしても話しかけたいという衝動にかられ

一歩一歩、俺の脚は人の流れに逆らって、彼女の方に向いていた。














「桜、好きなんですか・・・?」



思い切って声をかけると、優雅なしぐさで振り向いて、とても綺麗に微笑んだ。

まるで何かに捕らわれてしまったかのように動けなくなる。

息が、出来ない。



「えぇ・・・とても綺麗なので。 あなたもですか?」


「・・・はい。」






そういって再び上を向いた彼女の横顔はとても美しく、幻想的で。


一目ぼれって本当にあるのだと、ぼんやりした頭の中で考えていた。












「名前・・聞いてもいいですか?」


「えっ・・」


「あっ、ごめんなさい・・・。行き成り失礼ですよね。」




思いもよらない質問に、腑抜けた声が出る。

少し哀しそうに笑った彼女に、胸が痛んだ。








「あ、いや・・アスラン・ザラです。」


「ぁ・・です。 と呼んで下さい。」


「じゃあ、俺のことも名前で・・・」






「アスラン」





そう言っては本当に綺麗に微笑んだ。

風に吹かれて揺れるスカートと、落ちてきた花びらを手に取ったはまるで妖精のようだった。

















季節は春。

それは、出会いの季節。








051124
なんだコレ。
アスランが白い・・・
いちおう4話で完結予定。


よかったらお付き合いください。