ずっと好きだった。
でも、あなたはいつも私の手の届かないところへ行ってしまった。
私はいつもおいてけぼりだった。
伝えたいことを、伝えることもできなかった。
Eternak Oath 過去
私、・ユイがアスラン・ザラに初めて会ったのは、私がクルーゼ隊に配属になったときだった。
前々から噂は聞いていたが、どこから見ても完璧なアスランに私は「恋」というものをした。
私は一応「赤」を着ていて、ヴェザリウスに乗りMSパイロットだったためアスランと接する機会は他より多く彼と仲は良かった。
でも、恋愛に関して奥手で、この関係を壊したくないと思ってしまう私には告白なんてできるはずなかった。
「片思い」
そんな日常も中々悪いものじゃなく、戦争の中なのに私はこういう日々がずっと続く・・・そう不謹慎ながら思っていた。
しかし、その日常が崩れ去るのはあっという間で。
気が付けば、私には何も残っていなかった。
私がアスラント初めて別行動をとったのは、彼がストライクを撃ったとき。
デイブレイクとともに戻ってきたときに、イザークの怒鳴り声でアスランがMIAだと知った。
震えが止まらなかった。
その後、アスランはオーブの船からひょっこり戻ってきて、いつのまにか特務隊となってプラントへ行ってしまった。
「ありがとう」
その言葉と寂しそうな表情が忘れられなかった。
アスランが行ってしまった後、私はバルトフェルド隊に移動になった。
いまだ、アスランのことが忘れられない私はいい機会だと思い、デイブレイクとともに、エターナルへと向かった。
「運命のいたずら」
と言うべきなのかもしれない。
私はエターナルでラクスに会い、怪我をしたアスランとも再会した。
お互いにとても驚いてロクに口も聞けない状態だった。
その後、アークエンジェルやクサナギの人たちと一緒に私たちは平和に向けて動き出した。
初めは納得いかなかった私だが、次第にこの目的を理解し最終的には終戦まで漕ぎ着けることができた。
終戦後、私はカナーバ議長の申し入れを受け、ザフトに戻ることにした。
アスランに気持ちを伝えられないまま、分かれるのは辛かったが、地球に飛び立つ彼の後姿に向けて、
「行かないで」
とは言えなかった。
言う資格はないと思った。
C.E73、10月2日。
私は今日付けでミネルバ配属になるため、明日の進水式に向けて、アーモリーワンに滞在していた。
2年前と変わらない赤い軍服を身につけ、ミネルバ内を歩く。
あえて変わったといえば軍服がミニスカートになったことと、左胸に輝くFAITHのバッチだ。
だが、その後私は自分の運命の悪さに自分自身を呪いたい気持ちになった。
ザクからオーブ元首相付で降りてきて、
ユニウスセブンの時には民間人の癖に出撃して、
オーブに帰ったと思ったら最新鋭の機体でFAIThになって戻ってきて、気が付けば隊長になっていて・・・・
本当に信じられなかった。
一度、アスランのことを忘れた私にとってはこの日々は苦痛でしかなく、非常にストレスが溜まる毎日であった。
でも・・・・・
嬉しかった
そういえば間違いでもないし、間違いでもあるといえる。
でも、もう傷つきたくない。
傷ついたときの、心の痛みを知ってしまった私は、アスランとの接触を避け、どうしてもというときはかなり余所余所しい態度をとった。
私からアスランに話しかけたのは、ルナマリアにどうしてもと頼まれ
「アスハ代表と付き合っているのか?」
と聞いたときのみだと思う。
アスランの返事は、
「NO」
だった。
心なしか嬉しかった自分がいた。
私にとっての彼の存在は、やはり大きいんだ。
まだ忘れられないんだ。
そう実感させられた日々だった。