それは僕らのの証






人ごみの中で見つけた君の後姿。

フワリと背中で揺れる柔らかい髪、時々楽しそうにはずむ肩。

その全てが愛しくて今すぐにでも君に声をかけたい。

ちょっと驚いて、それでも俺だけに向けてくれるその笑顔を見たい。







声に出さないで名前を呼んで見る。

今、君は何を見てるの?

今、君は何を話しているの?







もう一度、呼んで見る。

君は俺を見つけることが出来る?

こんなにも雑音と人にまみれた場所で。


俺は出来るよ。


何処にいても、自然と君を探してしまうんだ。

目を瞑っていても、無意識に君のその甘い声を求めてるんだ。









ほら、君はこっちを向いた。

いつも通りに、驚いたような顔を一瞬見せて、そして笑顔になる。

誰にも見せたくない。

一人いじめしたくなるようなとびきりの笑顔で。




「アスラン」




そうの声が聞こえた。

ほんのり頬を赤く染めて、恥ずかしそうに俯いて。

それでも君は俺の名前を呼んでくれた。


心の声、で。


いつのまに、こんなに君に夢中になったのだろう。

いつのまに、こんなに君に溺れてしまったのだろう。


俺は君の虜だ。


終わりのない迷路に迷い込んだような感覚。

少し小走りでこちらに走ってくる君。





今度は声に出して君の名前を呼ぶ。



「アスラン」



君も俺の名前を呼ぶ。

今すぐここで抱きしめたい。

世界中の人に、は俺のものだって見せ付けてやりたい。



そんなにも俺は君に夢中だから。