服OK、髪型OK、メイクOK!


は鏡の前で微笑むと、外へと飛び出した。













      これからもずっと・・・















何ヶ月ぶりだろうか、ようやくとることの出来た休暇は運良くの彼氏、アスランと重なった。

そしていつも戦艦の中にいてばかりで、まともなデートなどをした事が無いたちにとって今日は記念すべき初デートの日。

今日の為に買った重ね着用のキャミソールにフレアスカートは風に遊ばれフワフワと靡いている。


が、も軍人。


先ほどから自分に視線が集まっていることは否応無に気がついていた。

自然と歩調は速くなり、いろいろな不安が次へと浮かんでくる。


服に値札が付いているのだろうか? それとも顔に何か付いているのだろうか?

そんなはず無い、と自分に言い聞かせながらは先を急いだ。
























「アスラン!」


十分早く家を出たはずなのに、より先にアスランは来ていてを見ると優しく微笑んだ。

周りの空間を魅了し、たくさんの視線を集めていることを知らずに。


「じゃぁ、行こうか? お姫様。」


「・・ハイ。」






















「うわぁ・・・大きい。」


「あぁ・・・」



二人がデートの場所として選んだのは、最近人気が高まっているプラント有数の遊園地。

流石と言うべきなのか、広い敷地にアトラクションは充実していてカップルや家族連れで賑わっていた。



「どれから乗る? あっ、観覧車は最後ね。」


「えぇと・・・」



アスランが持っているパンフレットを覗きこむようにして見るが、数が多すぎる。


?」


と言うアスランになんだか早く決めないと申し訳なくなってコレッとは目に止まったものを指差した。

















「大丈夫、?」


「・・・微妙に・・大丈夫・・・。」



到底大丈夫とは思えない顔で、はフラフラと歩く。

今にも人ごみに流されそうになる危なっかしいの手をアスランは握り、近くにあったベンチに座らせた。



「ごめんね、ジェットコースターってMSの操縦するよりは平気だと思ってたから・・・」


「いや、気が付かなかった俺も悪いから・・・。 何か飲み物取ってくるからここに居てね。」



そうアスランはいい、の頭をポンッと手を乗せると売店へと急いだ。

その後ろ姿を見ながらはため息をついた。







何やってるんだろう、私。

せっかくの初デートなのに・・・。

まさか、咄嗟に指指したのが一番絶叫ものだと言われているジェットコースターだとは思わなかった。

というか、何故戦艦にのって、MSにも乗っているのにコレはだめなのだろう。

ほとほと自分が悲しくなった。








アスラン・・・まだかなぁ。

大分時間がたったのにアスランはまだ戻ってこない。

お昼時だし、きっと売店も混んでいるのだろう。














そよそよと気持ちのいい風が吹く。

木陰になっているベンチには、丁度いい具合に風が吹き、の体調も大分回復してきた。

次は、ちゃんと選んでから乗ろう。









「ねぇ、君大丈夫?」

「えっ・・・」



足音がしたので、アスランかと思い顔を上げると目が合ったのは知らない男の人。

周りを見渡しても、どうもとこの男しかいなく、声をかけられたのは自分のようだった。


「私・・・ですか?」

「そう。 なんか具合悪そうだからさ。というか君一人なの?」




これは、世に言うナンパなのだろうか?

武器は持ってなさそうだし・・・ってこんなことを考えてしまうのは自分が軍人だからなのだろうか?


「いえ、大丈夫です。 それよりあなたこそ一人なんですか?」

「友達と来たんだけど、ちょっとね。」



やっぱりナンパか・・・。



「ねぇ、なんなら送ってくよ。 」

「いえ、彼がいるので平気です。」

「でも・・・」



どうやら、行動に移すまでの勇気は無いらしい。

これは、逃げるよりアスランを待つ方がいいのかもしれない。


「ほら・・・」


前言撤回だ。

よりによって腕を掴んできた。これは投げ飛ばしてもいいのだろうか?










「人の彼女に何してるんですか?」



今にもは蹴りを入れそうな体制。

まさにグットタイミングでアスランが現れた。


「なんなんだよ、お前・・・」

「彼氏。 なんか文句でも?」


アスランがいつもより低い声で睨むと、男は精一杯虚勢をはりながらその場を立ち去った。



「ゴメンな、。 もっと俺がちゃんとしてれば・・・」

「こっちこそゴメンね。それにもう回復したから。」


フフッとは微笑むと、受け取ったジュースを静かに持ち上げて嬉しそうに飲んだ。





















「すごい!! 別世界にいるみたい!!」


華やかに輝く、地上のネオンを見ながら子供のようにはしゃぐを見て、アスランは満足そうに微笑んだ。


「すごいね、アスラン。」

「これが見せたくて、観覧車は最後にお願いしたんだ。」


二人を乗せた観覧車は、ゆっくりと廻る。


「ねぇ、隣座ってもいい?」

「どうぞ。」


ゆっくりとアスランはの隣に腰掛ける。


「今日、すごく楽しかった。 ありがとう、アスラン。」

「こちらこそ、楽しかったよ、。」




ふと、視線が絡みあう。

そして、どちからともなく惹かれあうように二人の唇がそっと重なった。

丁度観覧車は、頂上に到達する。



「また、来ようね。」

「うん。」








観覧車が頂上に来た時、キスをした恋人たちは永遠に結ばれる。

それは、密かに囁かれている恋人たちの噂。









* * *

060108
HIKARU様のリクで、初デート&甘甘でした。
私の中のデートはこれくらいしか
思い浮かず、本当にありきたりでゴメンなさい。
どうぞ、よかったら受け取ってください。